ベトナム南中部沿岸部のカインホア省にあるカムラン国際空港で、2本目の滑走路の運用が開始された。20日から運用される。これに伴い、5月にはエアアジアがバンコクへの直行便の運航を始めるなど、カムラン国際空港は、離着陸本数でベトナム第4の規模の空港となった。

同空港では、便数の増加の対策として第2国際ターミナルを開設。人工衛星によるナビゲーションシステムの運用などの対策をとってきた。さらに、ベトナム航空交通管理公社(VATM)が昨年8月、ベトナムの空港としてはノイバイ、タンソンニャット、ダナンの3国際空港に次いで4カ所目となる航空交通入域管制塔をカムラン国際空港に開設した。

軍用空港だったカムラン空港は、2004年に民間機の離着陸受け入れを開始した。カインホア省の経済や観光発展のため、2011年には100万人だったカムラン国際空港の利用者数は2016年に490万人、昨年は600万人にも達した。1時間に最大19回の離着陸能力を備えており、ベトナム空軍や海軍の飛行部隊が1日200~300回の離着陸を行なっているのに加え、民間機の利用が1日約200便となっていた。このため、1本しかない滑走路は渋滞しがちで、劣化も進んでいたため、第2滑走路が建設された。

ベトナム民間航空局(CAAV)は、カムランの第2滑走路を今月20日から運用すると発表した。新滑走路は第1滑走路と200メートル離れた場所に、第1滑走路と並行に走っている。無線による計器援助装置(ILS)を備えているなど、大型機が着陸可能となる国際民間航空機関(ICAO)「4E基準」を満たしている。

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エアアジア、カムラン-バンコク便を就航 ニャチャンのリゾートに外国人観光客誘致

マレーシアに本拠地を置く格安航空会社のエアアジアは5月、カムラン国際空港と、タイ・バンコクを結ぶ直行便を就航した。空港近くにはベトナム有数のビーチリゾート、ニャチャンがあり、空港の充実や新路線の運航が、観光産業の発展に力を入れるベトナム中南部への外国人来訪者増加につながると期待される。

カムラン-バンコク間のルートでは、今年1月、タイのバンコク航空が定期便の運航を始めており、エアアジアが2社目。

同ルートは毎週、月曜日、水曜日、金曜日、日曜日の4往復が運航される。バンコク行きの飛行機は午前10時30分にカムラン国際空港を出発し、バンコクに午後12時15分に到着。バンコクからの便は午前8時15分発、カムラン国際空港に午前10時に到着する。

ニャチャン周辺は、ベトナム全土でも有数のリゾートを抱え、近年、豊かな観光資源をもとに、海外からの観光客の誘致に力を入れている。昨年は4178人のタイ人観光客がカインホア省を訪れたという。バンコクとの直行便の運行開始によって、タイとカインホア省相互の行き来や、タイ人観光客の訪越が大幅に増えると期待される。