地方政府の予算透明度、ヴィンロン省が1位に=ハイフォンが最低、ハノイ、ホーチミンも低く

最近発表された「省別予算公開の透明度(POBI:Provincial Open Budget Index)」の調査報告では、ベトナム地方政府の取り組みに改善がみられることが分かった。ベトナム経済ニュースは、この調査を行ったヴー・シー・クオン博士に、調査方法やその結果について聞いた。

写真㊤=「予算管理の透明度は向上したが、住民参加は進んでいない」と指摘するヴー・シー・クオン博士

-クオン博士らのチームが実施した予算透明度調査の結果について、簡単に説明してください。「POBI調査は、2017年に初めてベトナムで実施され、続く18年も全国63の省と市を対象に行われました。この透明度指数は、地方政府の予算管理における透明性や、2015年の国家予算法に基づく執行の程度を知るための指標になります」

「2018年のPOBI調査は、2つの柱からなります。予算の開示と住民参加です。POBIのランキングは、9種類の文書を基にした透明性に関する65の質問から算出しています。文書の中には、国家予算法に基づく7つの文書も含みます。調査では併せて、地方予算文書の完成度や適時性、有効性、利便性についても評価しました」

「平均スコアは100点中51点で、2017年の30.5点より大きく上昇しました。この結果は、全国の地方政府の予算透明度が向上したことを示しています」

「具体的には、6つの省が、予算を完全に公開しているグループAに入りました(2017年ではグループAはゼロ)。ヴィンロン省が90.52点で最も高く、バリア-ブンタウ省の85.91点、ダナン市の83.09点がそれに続きます。その後は、ヴィンフック省が82.05点、クアンナム省が76.68点、ハウザン省が76.66点でした。一方で、ハノイ市は49.72点、ホーチミン市は48.98点と低く、ハイフォン市は最低の5.14点でした」

-大都市のハノイやホーチミン、ハイフォンの透明度が低いのはなぜですか
「主要都市や省の透明度が低いことには、様々な原因があると考えられます。これらの政府は、予算文書を公開していないか、あるいは完全には公開していないと思われ、例えば、ハノイ市とホーチミン市は文書を公表していますが、完全な公開ではなく、必要に応じて公表しないときがあります」

-2018年の住民参加ランキングは、17年版にはなかったテーマです。この点を少しお話しいただけますか

「2018年の調査で初めて、予算管理における住民参加の観点を取り込みました。具体的には、地方政府の財務部門が、ポータルサイトを通じて住民とどのようにコミュニケーションを取っているかを調べました」

「しかしながら、私はこの調査結果に満足していません。地方政府は住民に予算管理に参加する機会をほとんど提供しておらず、63の省と市の平均スコアは34.6点でした。バクニン省が66.6点でリードしていますが、多くの省は16.6点で、住民参加がまだまだ進んでいない現状を表しています」