メコンデルタ初のハラール認証センターが設立 カントー市で

ベトナム南部、メコンデルタ地方の中心都市、カントー市に今月8日、この地方では初めてとなる「ハラール認証センター」が設立された。同市のニョンホー・テクノロジー社と、マレーシアのRSDマネージメント・ソリューション社が共同で設立。式典後には、カントー市とドンナイ省の3企業に対してさっそく、ハラール認証が授与された。

ニョンホー・テクノロジー社によると、ベトナムの中東やイスラム文化圏への輸出額は、2018年に140億ドル規模にまで成長したという。センターの設立調印式で、ニョンホー・テクノロジー社のホアン・バー・ギ社長は、「中東諸国がベトナムから輸入する商品は数量ともに増加傾向にある。なかでも野菜や果物、魚介類の増加が著しい」などと、展望を紹介した。

イスラム文化圏はベトナムにとって非常に「有望な新市場で、大きな成長の可能性を秘めているが、輸出を行なうには、イスラム教の厳しい戒律にのっとって食品が処理されたことを証明する「ハラール認証」が不可欠で、その認証機関が地域に存在しなかったことが、輸出拡大のハードルの一つとなっていた。

今回、カントー市に設立された「ベトナム=マレーシア・ハラール認証センター」では、一帯の企業が製造加工した食品や飲料などの商品のハラール認証を行なう。RSDマネージメント・ソリューションのノール・ヘルミー・ムスタファ氏によると、「ハラール認証組織を設立したことで、イスラム文化圏におけるカントー市の知名度アップが図れるだろう」と期待する。RSDでは、従来はマレーシアで行なっていた商品のハラール認証のプロセスを、カントー市で行なうほか、さまざまな業務も移行していく考えを明らかにした。

180億人の人口を抱える中東のイスラム文化圏は、ベトナムにとって大きな魅力をもつ市場で、センターの設立は、メコンデルタやベトナム南部の生産者らが中東市場を開拓する際の足がかりになりそうだ。