少数民族、バナ族の織物

中部のビンディン省やフーイエン省、高原地帯のコントゥム省などに住む少数民族、バナ族は、独自の織物や製陶の技術を継承している。その中でもとりわけ個性的な彼らの織物を紹介しよう。

バナ族は南アジア語族のモン・クメール語系に属し、ベトナム国内に約20万人が暮らしているという。豊かな暮らしや精神性にはぐくまれたバナ族の刺繍や織物は、味わいある模様や鮮やかな色彩で知られている。少女らは12~13歳になると、母親や祖母から織物や刺繍を教わり、ブランケットやカーペット、花嫁衣裳を手作りするようになるという。

彼女らの使う道具は非常にシンプルで、腰にひもで固定した板と筒状の道具を器用に動かしながら、ち密な柄を作り上げていく=写真。その巧みな手さばきは、常に訪れた人らの関心を集めている。