ベトナム南部で産学連携活性化 科学技術省と商工省が支援

科学技術省と商工省が近年、科学技術分野における教育研究機関と企業の間の協力の活性化に力を入れている。2018年以降は、国家資金を活用して多くの科学技術研究プロジェクトを支援。特にベトナム南部で、企業の技術革新や製品の発展、生産性の改善、品質や競争力が向上しているほか、ニッチ産業の開拓にも威力を発揮している。

商工省傘下の科学技術局によると、2018年以降、ベトナム南部の9省・都市で、55件の事例が、「高度な管理・生産性向上を実現した」と認められ、支援プロジェクトに採択された。このうちホーチミン市の事例が26件で、最も多かった。
事例を紹介すると、カマウ省で展開された、ハノイ科学技術大学の生物工学部によるプロジェクトがある。エビ加工品の副産物を活用し、食品や動物飼料を生産するプロジェクトだ。バイオテクノロジーを応用し、地元でチャーと呼ばれるナマズなどの養殖魚を、低音殺菌せずに缶詰に加工する技術の開発プロジェクトも採択された。
また、電力部門では110kVと220kVの高機能変圧所の設置や、エネルギー産業分野での、石油とガスの採掘探査などに活用できる大規模なデータベースシステムの構築などの事例があった。
DAPHACO 社(カマウ省)は、製品開発のインフラ構築や技術面などで商工省の支援を受けたという。この成果が実り、 同社のマック・ヴァン・ニー社長によると、同社のひと月の収益が150~170億ドンに達するようになった。今後は、さらに食品加工やバイオ技術などの大学や研究機関と手を組み、これまでは産業廃棄物にしていたエビの殻の有効活用などを勧める計画だという。