カインホア省の新たな玄関口として供用開始から1年半が経過したカムラン国際空港の新国際ターミナル(CXR T2)。施設の運営会社、カムラン国際空港(Cam Ranh International Terminal:略称CRTC)のスレイマン・ザイヌル・アビディンCOO(最高執行責任者)に、ベトナム・エコノミック・ニュースのチュ・ホウオン記者が聞いた。

写真㊤=空港で行われた供用1周年の記念イベント

─経済発展と観光、特に中南部海岸地域 での空港の役割について
観光は 近年、経済成長をけん引する柱の一つとなっている。ベトナムにはまだまだ観光発展の潜在力がある。観光は、「おもてなし」と「移動」という2つの要素で構成されており、どちらをおろそかにしても、大きな成果は得られない。われわれの空港の役目は、カンホア省の玄関口として、航空インフラを保証することにある。CXR T2は、地域最大の国際空港として、旅客や荷物を効率よくあつかう最も近代的なターミナルと設備を持つ空港として機能している。


「地域の発展に寄与できれば」と話すスレイマン・ザイヌル・アビディンCOO(右)

─運用から1年以上が経過した。新国際ターミナル事業は、カンホア省の社会、経済の発展や航空分野の発展に寄与しているか
CXR T2の旅客ターミナルビルは、国内のターミナルビルの施設水準を向上させた。今後も、他の施設をリードする空港であり続けたい。CXR T2、そしてCRTCは、雇用創出だけではなく、商業や観光といった経済発展を担う高度な組織として地域に貢献できた。運用12カ月のCXR T2の旅客増加率は29.1%増だが、これは世界平均の6.7%と比較すると顕著な数字だ。実際、過去1年間で新たに8つの国際線が運航した。こうした数字以外にも昨年は、ベトナム民間航空局 (CAAV)のモニター調査において、サービス品質でベトナムの主要国際空港中2番目の高得点を獲得した。さらに、施設はベトナム建築協会の国家建築賞銀賞と一般投票による「地域の好ましい建築」にも選ばれるなど、地域に快く受け入れられている。第1ターミナルの容量オーバー解消のために新設されたCXR T2は、年間250万人の受け入れ能力を持つが、旅客サービスの質においても四つ星に適合させており、こうした点でも地元や南部の海岸地域の観光や経済に貢献している。


カインホア省の空の玄関口となっている空港。施設は一般投票による「地域の好ましい建築」にも選ばれた

─CXR T2 は、厳格な審査と投票による航空業界の賞「ルート・アジア2019 マーケティングアワーズ」のトップ5に輝いた。受賞の意義について
光栄で驚いている。航空会社への売り込みなど、地道に努力をしてきたことが報われた。この結果を謙虚に受け止め、投票してくれた人々に感謝したい。受賞は明日に向かって進むわれわれのモーチベ―ションとなっている。

─来年に向けて、CRTCの次なる目標は
マーケティングのためにも、 より多くの航空会社の直行便を呼び込みことが大切だ。観光局やパートナーと密接に連係しながら、多くの人にカインホア省に来てもらうための仕掛けづくりをしていきたい。成長率の高さからすると、第2ターミナルも予想以上に早く許容量いっぱいになるだろう。しかし、われわれもどんどん処理能力を高めていく。カインホア省の発展に寄与し、ともに歩むことこそが、われわれの誇りだ。