日越などの国際合弁「ニソン製油所」 稼働1年でガソリン生産460万トン タインホア省

ベトナム北中部のタインホア省で、ベトナムで2カ所目となる石油精製施設「ニソン製油所」と、その運営にあたる国際合弁企業「ニソンリファイナリ-・ペトロケミカル社(NSRP)」がこのほど、稼働から1年を迎えた。初年度はクウェート産の原油約710万トンを精製し、高品質ガソリンなど、460万トンの石油製品製造を達成した。

タインホア省のティンザー地区にあるニソン経済特区に建設された同製油所は、先日、本格稼働から1年を迎えた。

昨年11月の稼働から1年間で、同社は約11兆ドンを国家予算に納付。地元タインホア省には雇用の創出、技術移転や戦略的な社会投資をもたらしたほか、健康や教育、地元の中小企業育成など、社会経済的にも地域の発展に大きく寄与した。

NSRPによると、同社の製造能力はベトナム最大で、急増するベトナムの燃料需要の約33%に匹敵。自国内生成することによって海外からのガソリン輸入を大幅に減らすことができ、ベトナム経済に安定的に必要な燃料供給を実現しているという。

ニソン製油所は、ベトナム中部のズンクアット製油所に続く、ベトナムで2番目の製油所。総資本金が約90億ドルを超える、ベトナム最大規模の外国直接投資によって実現したプロジェクトだ。製油所を所有するNSRPは、2008年4月に、ペトロベトナム(PVN)とクウェート国際石油、出光興産、三井化学が合弁企業として設立し、施設建設と運営にあたってきた。

NSRPの幹部は、「ニソン製油所は、開発、建設、商業運転に関わるすべての人々にとって、また、タインホア省だけでなくベトナムにとっても、大きな成果だ。NSRPは、ベトナムが世界に誇れる製油所、石油化学コンビナートで、今後も長きにわたり、国の社会経済の発展に貢献を続けると確信している」と、1周年を祝った。ベトナムとクウェート、日本の三国の協力の成果であるNSRPは、責任をもって追及された長期的プロジェクトがベトナムにもたらし得るさまざまな利点の象徴といえる。

同社は1000人以上を雇用しておりその多くが地元タインホア省の人材であることなどから、地元社会に与える影響は少なくない。同社会では、「ベトナムに根差した企業として、前向きな社会的経済的影響を、タインホア省の地域や人々に与えることが使命だと感じている」という。