「古都フエ・フェスティバル」4月に開催へ 20カ国の交流で文化や観光PR

ベトナムの古都フエで、今年4月1~6日の6日間にわたって、11回目となる「古都フエ・フェスティバル2020」が開催される。イベントは、国家事業として初めて開催されてから今年で20年となり、国際的な文化の祭典にまで成長した。このほど、主催するトゥアティエン=フエ省人民委員会が会見し、開催を発表した。

同イベントは、古都フエの伝統やベトナムの文化的価値などを広く海外に紹介するのが大きなねらいで、重要な国際交流の場ともなっている。

このほど、イベントを主催するトゥアティエン=フエ省の人民委員会が記者会見して明らかにした。今回のフェスティバルは、テーマが「文化遺産と統合・発展・いつも新しいフエ」。グエン・ズン人民委員会副委員長は「イベントは、古都フエの文化や、フエ王宮を中心とした文化遺産群、緑豊かな自然環境などを紹介できる絶好のチャンス。たくさんの人が楽しめるよう、ベトナムを代表する優れた芸術を集結させたい」と意気込みを語った。

フエ周辺には、古都フエの遺跡複合体(1993年に認定)、ニャーニャック・クン・ディン・フエ(フエ王宮の宮廷雅楽、2003年)、グエン王朝の木版本(2009年)、宝物本(2014)、フエ王宮の建築物に刻まれた詩(2016年)の5つのユネスコ世界文化遺産がある。この機会は、これらについて国内外の観光客らに情報を伝え訪れてもらう好機となる。また一帯では、音楽や演劇、文学などを融合させた民俗芸能「バイチョイ(Bài Chòi)」と、天・地・水などの神(聖母)をあがめる民族宗教「聖母道(マウタムフー=Mẫu Tam phủ)」の、二種類の無形文化遺産も盛んだ。

今年のフェスティバルは、著名なベトナム人の作曲家、チン・コン・ソン氏の楽曲の披露や、アオザイ祭り、国際的な舞踊祭などで構成される。また、宮廷料理の発展のおかげで「食の街」としても知られるフエの味覚を楽しめる企画も繰り広げられる。

ベトナムが議長国を務めることから「ASEANの夜」と題して、ASEAN諸国の文化や芸能を披露するステージが行われるなど、海外の文化も披露される予定。韓国、日本、シンガポール、フィリピン、中国、イスラエル、フランス、ロシアなど、多くの国々から、20以上の芸術チームが参加するという。

同イベントの開催で、国内だけではなく、海外からも多くの来場者や観光客を誘致できるとあって、関係者らは、フエを中心に、ベトナム中部地方の観光活性化にも大きな期待を寄せている。