フック首相、紅河流域のハナム省を視察 「ハノイの玄関口」としての発展に期待

グエンスアンフック首相はこのほど、ベトナム北部、紅河流域地方のハナム省を視察に訪れた。フック首相は、「首都ハノイの玄関口」としての同省の発展に期待を示し、「潜在的な可能性を発掘して、発展の突破口としてほしい」と促した。

同省はハノイから約60キロの紅河河口にあり、都市部や港湾とのアクセスもよいことから、国内外の企業が製造拠点の進出先として注目している。

地元自治体幹部らのワーキングセッションに参加したフック首相は、ハナム省に対し、2020年中には、省だけの予算で自治体運営を賄えるようとの目標を提示。その実現に向けて、「環境に優しい有機栽培農業などを軸に、郊外の省としての新たな存在感を示してほしい」と激励した。

工業分野では、すそ野産業分野を重要視しつつ、環境負荷の少ない工業生産を目指す方針を示した。また、観光分野でのサービスの発展と促進のために大手企業の投資を誘致するとして、観光が進められる「タムチュック観光エリア」の啓発を加速させる必要性を説いた。

ハナム省に対しては、首都ハノイから遠くない立地を生かし、ハイテク農業地域や高品質な薬草類の栽培地を開拓するよう求め、土地や環境の管理を強化し、地元産業の発展や、環境配慮型農業としての競争力を高めるよう求めたほか、行政改革もスピードアップするよう伝えた。「これらの目標のためには、発展を進めると同時に、人材の育成と雇用の創出にも注力すべきだ」と強調した。

ワーキングセッションに参加した同省人民委員会のグエン・スアン・ドン委員長によると、2016年から2019年にかけて、平均経済成長率は11.3%に達し、昨年の一人当たりの経済生産は、4年前の約1.6倍にあたる年間6220万ドン(2690ドル)を記録したという。