ハノイ市、企業と新型コロナウイルス問題で対話を実施 支援策や経済回復のシナリオなど検討

ハノイ市人民委員会は4月16日、新型コロナウイルスまん延で打撃を受けている企業の生産や経営、企業が直面する課題を取り除き、経営者と労働者に支援などを提供しようと、関係各省と企業との対話を行った。約50の企業や団体の代表者らが参加し、現状の課題や、今後の回復シナリオなどについて話し合った。

市側からはハノイ市共産党執行委員会のヴォン・ディン・フエ書記と、ハノイ市人民委員会のグエン・ドウック・チュン委員長が参加した。

フエ書記は、新型コロナが引き起こした公共、民間の投資などにおける課題について紹介し、「ひとつひとつ解決していきたい」と説明。さまざまな企画調整、煩雑な手続きなどの改善を行い、新規の投資費用の支援、融資の優遇措置などを提供する考えを示した。また企業に、「新型コロナウイルスの感染拡大終息後には、ハノイ市の成長維持や経済発展のために、さらに貢献してほしい」と理解と協力を訴えた。

市は当面、生産や経営で困難に陥った企業向けの緊急措置を展開するほか、労働者支援、社会の安全と秩序の維持などのコロナ対策に尽力するとした。また、地域の企業登録などの行政手続費用の支援、企業新設のための財政支援、資金融資の優遇なども行う。

会議で、ハノイ市計画投資局のグエン・マイン・クエン局長は、第1四半期の経済は発展が維持されたものの、前年同期を下回ったと報告。ハノイ市の域内総生産は前年同期比3.72%増だったが、輸出額は18.1%減、輸入額も21.3%減だったことを挙げ、「今後、ハノイは、新型コロナウイルスの終息後の将来予測をしておくべきだ」として、3つのシナリオを提示した。

ひとつ目のシナリオは、新型コロナウイルスが早期に抑制できた場合で、ハノイ経済は第2四半期には成長に転じ、下半期の飛躍で、年間計画の成長率7.5%を達成させるというもの。ふたつ目のシナリオは、新型コロナ抑制が第3四半期となる設定で、この場合は大きな成長や回復は見込めず、年間成長率は6.42%にとどまる。

三つ目は、新型コロナウイルスが2020年末までベトナム社会に影響を及ぼすと想定した最悪のシナリオで、「この場合、年間成長率は5.34%に落ち込む」と警戒感を示した。