南部のビンズオン省、交通網整備に9兆ドン投入へ 渋滞解消と利便性向上ねらう

ベトナム南部のビンズオン省は今年度、社会経済の発展を後押しするために、約9兆ドン(約3億8800万ドル)を、主要な交通網整備に投資することを決定した。同省人民委員会のグエン・ホアン・タオ委員長がこのほど発表した。隣接するドンナイ省やバリアブンタウ省、ホーチミン市などとの道路接続網を整備し、交通と物流の移動をスムーズにする。

同省によると、予算額の効率的な活用のために、今年はさまざまな交通整備計画のなかでも、年度じゅうに完成しすぐにも実用化できる案件に絞って投資をするという。

特に整備の実現が急がれるのが、フオック・キエンやチョーディン、チョーカイズアでの立体交差の設置だ。これが建設できれば、環状道路やミーフオック―タンバン間の高速道路の交差点を減らすことができ、同省内にある多くの工業団地とホーチミン市の港湾間の交通網接続が格段に改善されるという。

省内の高速道路743号線や747B号線、746号線なども整備対象に含まれており、これらもドンナイ省とホーチミン市間の自動車移動の利便性向上につながるという。

ミーフオック―タンバン間の高速道路も、整備対象とされた。この高速道路が、ビンズオン省内の都市部と郊外の工業団地をつなぐ幹線道路であると同時に、国家高速道路13号線と並行する、ベトナムの南北をつなぐ交通の背骨の役割を果たすためだ。

ドンナイ省建設局では、この整備が今後、大型貨物船の乗り入れが可能なバリアブンタウ省のカイメップ港やチーバイ港、また整備が進められているロンタイン国際空港へのアクセスを、格段に向上させることにつながると見ている。

すでに、高速道路の13号線やミーフオック―タンバン間の高速道路では、道路幅が拡張され、渋滞しがちだった工業団地と港の間の交通の流れが改善された。

ビンズオン省は近年、南部の中心地であるホーチミン市と周辺各省の間の接続改善のために、道路交通網のインフラ整備に巨額の投資を行っており、その工事の実施は、集中する工業団地とともに、省外からの人々の移転や出稼ぎ労働者の流入などを増やしてきた。

ビンズオン省工業団地管理局のブイ・ミン・チー局長は、「ビンズオン省は南部経済圏でももっとも成長の著しい省のひとつであり、もっとも注目を集めている投資先でもある」と説明。海外輸出の時間短縮と効率化を視野に、近隣の省や海外に向けて、省内の製品を輸出するためにも、交通インフラの整備と改善を常に考えているという。

今後はさらに、水辺の拠点の連携と接続性の改善を検討する予定。将来的には、ホーチミン市やドンナイ省の港湾へ向けて輸出商品を効率的に輸送できる鉄道の貨物輸送路線開設を検討している。