ハノイ市、2025年までのデジタルトランスフォーメーション計画策定

ハノイ市情報通信局はこのほど、「2030年を視野に入れた2025年までのデジタルトランスフォーメーション計画」を策定し、同市人民委員会に提出した。

◇競争力ある都市に
ハノイ市は2025年までに、デジタルトランスフォーメーションや情報技術、競争力、創造的イノベーション、サイバーセキュリティの分野で、国内トップ5に入ることを目指している。併せて、東南アジアにおけるデータサイエンスやAI分野をリードする都市になることを掲げる。

計画によると、ハノイ市は2030年までに、高度にデジタル化された政府、経済、社会を実現するとしている。そのために、地方行政、貿易、生産活動、住民の生活スタイルや働き方を包括的に近代化し、より安全なデジタル環境を整える。

また、同市は、科学技術や創造的イノベーション、高度人材を生かした迅速で持続可能な発展を図るとともに、社会経済発展を促進するために第4次産業革命の機会を有効に活用していく。当局は、10年後には、地域的、国際的にも競争力を持ち、完全に工業化を実現した、環境にやさしいスマートな近代都市にしたいと考えている。

同局のグエン・タイン・リエム局長は、「この計画の狙いは、デジタル化された政府、経済、社会の構築とともに、世界に通用するデジタル技術ビジネスを育てることにある」と述べた。

◇具体的な目標
デジタル政府の構築においては、すべての行政手続きに対し、携帯電話を含むプラットフォームでレベル4のオンラインサービスを提供し、業務の効率性と有効性を高めることを目指す。加えて、市で取り扱う文書の9割、郡・県で扱うファイルの8割、村の記録の6割をオンライン化する(機密文書は除く)。ハノイ市が持つデータベースは、人口、土地、企業登録、金融、保険に関する国のデータベースにそれぞれリンクし、国家管理機関による検査の5割は、デジタル環境と市の情報システムを用いて実施されるとする。

また、計画では、同市のデジタル経済が域内総生産(GRDP)の30%を占め、労働生産性が7〜7.5%向上するなど、競争力の向上を求めている。

デジタル社会の発展について、同市は、家庭の8割以上と村・坊・町の10割にブロードバンド回線網を供給し、4G5Gのモバイルネットワークやスマートフォンを普及させ、誰もが低価格でインターネットを利用できるようにすることで、「デジタル格差」の縮小に努める。また、電子決済を利用する人口の割合を5割以上とすることも目指す。