中北部ハティン省、工業発展に向けた5カ年計画を発表 前期比2倍の資金投入へ

ベトナム中北部のハティン省人民委員会はこのほど、2021~2025年を対象に、従来と比べて投入資金を倍増させた5年計画の地域工業の振興プログラム実施を決定した。農業や漁業が主力産業である地域において、効果的な産業振興策と工業化に向けた好条件を創出したいねらいだ。

今回ハティン省人民委員会が計上した5カ年プロジェクトの予算は、627億6500万ドン規模になると見られ、省がこのうち271億1000万ドンを負担。残りは相互事業資本や参加企業などの投資を当てる。具体的には、職業訓練▽企業のマネジメント力の向上▽地域ビジネスの起業支援▽新たな技術モデルの構築と試験的導入▽地域の優秀な工業製品の開発―などを支援する。

具体的には、2025年までに労働者1000人に対して訓練やスキルアップ教育を提供し、20~30の地域企業の新設を目指して支援を展開する。また、10件の技術導入モデルを構築するほか、30の既存施設に最先端の生産機械を提供する計画だという。政府が実施しているさまざまな産業優遇政策と比較して、ハティン省の独自の投資は、工業生産施設の生産目標達成に向けた適応策の提供や、工業クラスターの育成、職業訓練の実施などを優先して資金を投入する点が特徴的だ。

また、農村部での産業発展を促進して、工業生産を金額ベースで前期より11.9%増やすことで、農業や漁業中心の同省の産業における工業化比率を高めるとともに、地域で採れた農産物や海産物の加工や付加価値アップなどで農業や漁業の活性化もねらう。

過去5年間のプロジェクトでは、同省は、109件の事業を採択し、232億9200万ドンの資金供給を実施。このうち、122億5200万ドンは同省の予算で賄われた。プロジェクトの実施によって製造業者が製造効率を高めることができたほか、経営者らが、長期的な発展のためには、新技術の導入や環境保護、人材育成などがいかに重要であるかを認識することにつながったという。

今後5年間のプロジェクト予算倍増の決定は、前期と比べ業界振興がより効率よくなることは確実で、新たなフェーズに向けた期待を感じさせる。同省人民委員会は、過去の手法や政策を見直し、農村インフラを向上させ、行政手続きなどを減らすなどの工夫でも、活動資金の有効活用の側面支援を展開する。

省ではまた、同省内で生産される商品の新規市場の開拓も目指す。さらに、技術改善の支援や先端技術の応用、環境汚染を防ぐよりクリーンな工業生産の適用や廃棄物処理法などを優先して、企業支援を展開する。同時に、省の主力の農産物を生かすために、農産物生産者に対する知識普及や訓練の展開、生産された農産物のブランディングの実現なども、関係当局と連携して展開していく考えだ。