豊作にわくフルーツの名産地、 バクザン省ルックガン県の挑戦

ベトナム有数のくだもの産地、バクザン省で、ライチやオレンジ、グレープフルーツ、グアバ、リンゴが今年も豊作となった。天候に恵まれたことやハイテクの導入が進んだことが収穫に追い風となった。主要産地のルックガン県では、特産品を生かした農村観光を模索している。

写真㊤=豊作にわくルックガン県のフルーツフェスティバル

ルックガン人民委員会によると、同県の果樹園は2万8000㌶。うち半分以上の1万5450㌶がライチで一昨年から160㌶増増加。収穫高は14万4826㌧に上る。役8割の1万2500㌶が農作物の国家標準の ベトナム農業生産工程管理(VietGAP)と世界標準のグローバルGAP(GlobalGAP)の基準を満たしている。

ルックガン人民委員会のラ・バン・ナム委員長は、「国内外で認知されるブランド品となったライチに加え、オレンジやポメロについてもすでに商標を取得。グアバやリュウガン、羊や馬については、省の科学技術局と国家知財事務所と調整しながら、地理的表示(GI)に関する手続きを進めている」と話す。


良質の柑橘類を産出するルックガン県の果樹園

くだものによる収入は、農作物全体の7割を占める3兆3000億ドン(約166億円)、1㌶あたり生産高は1億3000万ドン(約65万円)と推計される。地元産のくだものは欧米や日本など、世界中の高級市場に輸出されている。

今後の課題は、観光との連係だ。同県でこれまでにも、オレンジの収穫シーズンなどに体験観光を受け入れてきた。現在、エコツーリズムやリゾート・エンターテインメント、文化・スピリチュアルを柱に、新たな観光商品を企画している。将来的には、100万人の観光客誘致と1兆ドン(約50億円)の観光収入、300~500人の雇用創出を目指す。


ルックガン県の果樹園を訪れる観光客

観光の中身については、近く村や協同組合で調整する予定。協同組合では、観光客を迎え入れることが可能な、交通アクセスが良く、美しい庭があり、フレンドリーな農家を選定中で今後、旅行代理店との調整を進めていく。こうした地域の特産品を生かした観光は、東北部の山岳地域の発展につながると期待されている。