特産品のライチを米国へ バクザン省が売り込み

バクザン省は、特産品のライチの米国への輸入促進に向けたオンライン会議をこのほど 開催した。地元関係者や輸入代理店、米国在住のベトナム人らが参加。現状や課題について、さまざまな角度から意見交換した。今後は日本や中国、豪州などを対象にした同様のオンライン会議を開催する予定だ。

写真㊤=米国へのライチ輸出に向けて開かれたオンライン会議

バクザン省人民委員会の ファン・テー・チュアン副委員長は「今年は天候にも恵まれ、ライチが良好に育っており、16万㌧以上の生産量が見込まれている」と報告した。うち、米国や豪州、EUへの輸出向けに1600㌧、日本向けには1800㌧が栽培されているという。


市場に並ぶライチ。今年も豊作が期待される

同省では昨年、新型コロナウイルスの影響にもかかわらず、収穫量が前年の4倍近い21万5852㌧となり、収入も6兆8210億ドン(約93億円)に達した。米国市場について、チュアン副委員長は、「強力な購買力がある」としながらも「品質に厳しく、安全や衛生基準も厳格だ」と輸出のハードルの高さを強調した。

米国の輸入代理業の代表として参加したジョリー・グエンさんも「ベトナムからのフルーツの輸入需要は増加しているが、植物検疫をはじめ、米国食品安全強化法 (FSMA)や食品品質保護法(FQPA)など非常に厳格な規制が数多くある」と話す。

同省によると、米国に輸出するには食品や農産物などに放射線を当てて、殺菌・殺虫を行なう米国基準に適合した食品照射が必要。しかし、それができる施設が地元にないため、いったんホーチミン市に持ち込んでから輸出しており、これがコスト増につながっている。

消費者の一人として発言した米国在住のアントレプレナー、グエン・ディン・フーさんは「米国にライチを届けてもらうことは、とても大事なこと。米国在住のベトナム人は、故郷の国のフルーツを愛しているから」と訴えた。