ベトナム北部 雪景色の高地観光が人気

ベトナム北部の高地(トンキン地方の各省)では昨年末から断続的に雪が降り、美しい景色を見ようと、大勢の観光客が訪れている。

北部各地では、天候を利用して、観光客の誘致を図っている。

旧暦の12月(新暦の12月下旬~2月上旬)には例年、北部山地の各省では雪が降る。サパでも雪が積もり、絵のような美しい風景が広がった。「石の教会」(サパ教会)や「ハムロン丘陵」、「サパ湖」、「オークイホー峠」にも多くの雪が降った。

ラオカイ省文化スポーツ観光局の担当者は、ベトナム経済新聞社の取材に「旧暦の12月15、16日だけで7000ツアーの皆さんがサパに雪を見に来た。観光客の増加で、ラオカイ省の観光客数は2012年同期に比べて29.3%増加した」と話した。

ハザン省は普段、静かな山間部の省だが、雪が降るこの時期は、大勢の観光客らで混雑する。地元のガイドらによると、昨年(2013年)末と今年(2014年)1月12、13日の夜間と早朝、広い範囲で降雪があった。ベトナム最北を示す国旗が掲げられた「ルンクー旗の塔」、さらに「ドンバン岩石公園」などは、自然な山地の村々を眺めることができる絶好の場所とあって、多くの観光客が訪れ、美しい雪景色を眺めていた。観光客たちは雪で遊んだり、記念写真を撮ったりしながら、冬の休日を満喫した。

同省の文化スポーツ観光局によれば、同省には昨年44万ツアーが訪れた(2012年比5.3%増)。その中で、海外からの国際観光客は13万ツアー、国内観光客は31万ツアーだった。多くの観光客が訪れたのは「降雪のおかげ」と言って良いだろう。

雪を見に来る観光客の増加は、地方の収益増加につながる。旅行業務に携わる各地の機関は、天候をいかに観光客の誘致につなげるかを思案している。しかし、自然現象である降雪は、観光客の増加により地元経済に改善をもたらす一方、過酷な状況により人々に損害を及ぼす恐れもある。各地方の機関は、安全な旅行内容を検討し、実施する責任がある。

ラオカイ省は北部で最も雪の多い場所だ。文化スポーツ観光局のチャン・ヒュー・ソン局長によると、雪による観光客の増加で、サパが混雑するのを避けるため、バットサット県など省内の他の場所に、観光客を誘致することも検討しているという。また、こうした施策を実施するため、サービスの向上や新たな観光サービスの開発を図る計画だ、さらに、同省の運輸局などと調整して観光の安全を目指すという。