石像と彫刻の里 ニンビン省のニンバン村

ニンビン省のニンバン村は〝石彫の村〟として知られる。石造彫刻の技術が代々伝承され現在も、多くの作品を生み続けている=写真

伝承によると、村の礎をつくったのは、タンホア省から来たホアン・スンという人物。スンは、現在のホアル県ニンバン村に腰をおちつけ、石彫の技術を子孫に伝承した。

山に囲まれた地形や石を使った建造物などからホアルは10世紀以来、〝石の都〟と呼ばれてきた。〝石彫村〟に関する多くの歴史的文献も、石彫が世襲的な職業であるとことを示している。現在、生産されているのは、つぼやテーブル、イスといった装飾品や家具のほか、仏塔やレリーフ、墓、モニュメントまで多岐にわたる。最近では、観光向けに 西洋風の女性像のコレクションも登場した。

これらの石彫はコンピューター制御のCNCカッティングマシーンを使う3人の職人によって生み出されている。耐久性が高く温かみのある色を帯びたライムストーン(石灰石)から作られ、素材の美しさと彫刻技術の融合によって、芸術作品が生み出される。

石像を製造するニンビン・ファインアート合資会社のプロダクションディレクター、フィン・バン・チュンさんは、「素材の石の魅力をひきだし、想像力をかきたてるようなテーマを選ぶよう心がけている。国内外の顧客に気に入ってもらえるよう、より高みをめざしたい」と話している。