ダラットの柿が最盛期 特産品の干し柿づくり始まる

中南部のラムドン省の省都、ダラット名物の柿が最盛期を迎え、特産品の干し柿づくりが始まった=写真。12月初旬までがベストシーズンで、地域は柿一色に染まる。

ダラットの柿は毎年8月の終わりに緑の実がなり、9月なると黄金色に、10月にオレンジ色に熟し始める。柿の実が鈴なりになるダラットの丘陵は、はまるで火を灯したように輝き始める。

果樹園は、トゥエンラム湖、プレンパス、ドラン、ケアン、ドンズオン、カウダットなどのエリアに多い。柿の種類も多く、柔らかいものや卵型のもの、サクサクとしたものなど、見た目も味わいもさまざまだ。地元産では、サクサクしたみずみずしいタイプが一番好まれるという。

10月初め、柿の実がトマトのように真っ赤に熟すと、収穫の時期の到来だ。特産品の干し柿の生産が始まり、産地は大忙しとなる。干し柿作りは非常に手間暇のかかる作業だ。良い干し柿を作るには、ベスト状態に熟した甘味のある、粒ぞろいの実が必要で、虫食いや傷がないことも条件だ。

干し柿づくりに地元の人が使う柿は、楕円、あるいは四角い実。柿は皮をむいてから、芯をしばって、ぶつかりあって傷つかないように慎重に吊るす。その後、50~60度に熱したオーブンに約3時間入れて水分を飛ばし、雨や虫、鳥に気を付けながら、日当たりと風通しのよいところに干す。5~10日後、柿が濃いだいだい色から茶色へと色が変わってくると、通称「マッサージ」と呼ばれる手もみ作業に入る。外側が固くなりすぎたり、中がやわらかくなりすぎたりしないように、やさしく手でもむのだという。

天気が良く、25~30度の気温の乾燥した日が続くと、3週間後には良質な干し柿ができ上る。7~8㌔の柿の実からできる干し柿はわずか1㌔。手間がかかる分、ふつうの柿より値段は高く、キロ当たり40万~50万ドン(約2200~2800円)になる。天然の甘みがぎゅっと詰まった地元の干し柿は名産地ならではの味わいと評判だ。

専門家によると、柿はビタミンCが豊富で、1日の必要量の80%をまかなう。また、食物繊維の必要量の20%を含み、消化に優れた健康食品という。