ハノイ近郊の新たな名物に ソンロー区の春雨

ハノイのダウンタウンから西へ約20㌔。クオックオアイ県のコンホアコミューン村にあるソンロー(ソー) 区 は近年、春雨の生産地として、その名を知られるようになった。こだわりの素材と近代的な生産ラインから生まれる製品は国内だけでなく、日本やマレーシア、ドイツにも輸出されている。

春雨の製造から輸出まで手がけるズオン・キエン販売製造貿易のズオン・ディン・コイ社長は、地域で最初に本格的にバーミセリ製造を始めた一人だ。「この地域の春雨は、北部ソン・ラ省モクチャウでとれた着色料や化学調味料、保存料を使わないオーガニックなクズウコン科(キャッサバなど地下茎からでんぷんがとれる植物)を原材料に使っている」と品質に胸を張る。

同社は国内外の衛生基準に従って製品を製造するため、専門の技術者を雇用。生産は、ほぼすべてが機械化されているが、乾燥だけは自然の風と日光を使う。このこだわりが高品質の製品に欠かせないのだという。

同社は2020 年、約6億5000万ドン(約350万円)を投じて最新の生産ラインを整備した。うち3億ドン(約160万円)は、ハノイ産業貿易局の産業振興プログラムからの資金提供でまかなうことができた。設備の効率はよく、製品のコストダウンや環境負荷の低減にもつながった。同社の製品は今や、ハノイ近郊で生産される最も注目すべき商品の一つとして、国内外の見本市や展示会で盛んに紹介されている。