イオンモールはこのほど、ベトナムのビンズオン省に設立した現地法人「イオンモール・ビンズオン」が、同省内で不動産物件を転貸(サブリース)目的で一括賃借(マスターリース)する事業のライセンスを取得した、と発表した。これまで外資企業による同種の事業展開は規制の対象だったため、日系企業によるライセンス取得は初めてという。

イオンモールの現地法人は、今年11月に開業予定のベトナム2号店、「イオンモール・ビンズオン キャナリー」を一括して賃借・運営する。外資系企業のマスターリース事業への参入をめぐっては、投資環境改善を協議する「日越共同イニシアチブ」などで、日本がベトナムに規制緩和を求めていた。ベトナム側も外資の参入を認める方向で、今秋にも法律が成立する見通しだったが、今回、ビンズオン省は法律制定に先だって同省内限定のライセンスを発行した。

ビンズオン省はホーチミン市の北約20kmに位置し、南部ではホーチミン市に次ぐ第2の経済地域。同省のベトナム・シンガポール工業団地(VSIP)に建設中のモールは、敷地面積が約6万2000平方メートル。約4万9000平方メートルの売り場に、総合スーパーのイオンを核店舗として、約180店舗が入る予定という。運営・管理には、イオンモールが日本国内で培ったショッピングモールの運営・開発ノウハウをいかす。

今年1月にオープンしたベトナム1号店「イオンモール タンフーセラドン」(ホーチミン市)は、今月末にも来場客数累計900万人を超える見込みだ。大型ショッピングモール業態がベトナムでも人気で、高い集客力をもつことを裏付けたかたちで、同社では2014~16年の3カ年計画で、ビンズオンを含めベトナム国内で4カ所のモール誘致を目指す。