サン国家主席、カンボジアで各界指導者と会談

カンボジアを公式訪問(12月23、24日)したチュオン・タン・サン国家主席は、シハモニ国王や同国首脳陣らと会談したほか、仏教界の高僧らとも面談。精力的な活動で、両国の多様で親密な関係を印象付ける訪問となった。

23日、カンボジア入りしたサン国家主席は、王宮でシハモニ国王と面談したほか、フン・セン首相、ヘム・サムリン国民議会議長らと会談をもった。

翌日は、テップ・ボーン大僧正とボン・キリ僧王ら仏教界の高僧らのもとを訪れた。両師との会談で、サン国家主席はカンボジアとベトナム両国で、多くの仏教徒らが社会で重要な役割を担っていることにふれ、「両国の仏教徒の協力が、二国間の友情と連帯の強化に大きく貢献している」と強調した。また、「ベトナムとカンボジアは隣国として互いを支えあってきた伝統がある。困難なときにはなおさらだ」と語り、2人の宗教指導者らに、両国の仏教徒らがさらに連帯し協力するよう、導いてほしいと述べた。

続いて、サン国家主席は、チョーライ・プノンペン病院を訪問した。同病院はベトナムも出資している事業で、2014年1月に運営が始まったばかり。プノンペン市内の貧困者ら約1500人に無償で治療を行っており、ホーチミン市の衛生局と協力し、約100人の患者らに眼科手術を行うプロジェクトを展開している。サン国家主席は、カンボジア人医師や看護師らスタッフらに「専門家としての知恵と経験を分かち合って、病院を発展させてくほしい」と期待を述べた。

一方、カンボジアに在留するベトナム人投資家協会(AVIC)の代表者らとの懇談では、サン国家主席は、「ベトナム企業のカンボジアでの成功が、両国のきずなを強めている」とあいさつ。128件ものプロジェクトに総額約33億6000万ドルを投資し、ベトナムをカンボジアで5番目の投資国としているベトナム企業らの活躍を称えた。

企業関係者らからは、二重課税の回避に関する協定の早期署名や国境地域での交易に関する二国間合意の改正などを求められた。サン国家主席は「ベトナムとカンボジア双方が安定的に利益を得られるように、ベトナム政府も党も投資の優遇策などをとっていく」と応じた。さらに、カンボジア在留のベトナム企業関係者らに、カンボジアの法律を遵守し現地の習慣に従うよう呼びかけ、社会福祉や職の確保、貧困の対策などの面でカンボジアに貢献し、さらに両国間の友好や協力を強化するよう求めた。