ベトナムはニントゥアン省の原子力発電所建設計画を白紙撤回した。22日、正式発表したマイ・ティエン・ズン政府官房長官は、「(発注していた)ロシアや日本の原子力技術に問題はなく、ベトナムの現在の経済状況が中止の理由」と強調した。

ベトナムの原発のプロジェクトでは、ベトナム南中部沿岸部のニントゥアン省に2基の原発を建設し、総発電量約4000メガワット時を見込んでいた。計画は2009年11月に国会に承認された。

ズン官房長官は、「投資の決定が行われた当時と比べ、ベトナムのマクロ経済的な状況が大きく変革したことが最大の要因」と強調。ズン官房長官は「ベトナムは社会経済的な発展を刺激し、気候変動の問題を解決するために、(原発以外の)インフラ設備の整備に多額の投資が必要だ」として、財政状況の悪化が原発建設の巨大な公共投資の中止となったことを説明した。

また、風力や太陽熱を応用した発電設備の設置費用が近年大幅に引き下げられ、再生可能エネルギーの利用がより現実的となったことも理由に挙げた。

「さまざまな対策によって国の電力供給に余力が出てきた。近隣諸国と電力を相互に融通するような施策も今後は加速する」などと述べた。