ベトナム・カンボジアの経済協力 双方の年間貿易額50億ドルを目標へ

1100キロ以上の国境線を共有するベトナムとカンボジアの経済、投資、貿易における協力関係が、特に国境地方において、活発になっている。両国の商業活動は、主に小企業、家庭や個人レベルで行われてきた小額取引の歴史に始まる。今や、地理的、歴史的、文化的な国の発展に、類似の目標も相まって、ベトナムとカンボジアの経済関係は日増しに発展し、両国の繁盛に大いに貢献している。(ハイ・リン)

外交関係が樹立された1967年6月以降50年間、ベトナムとカンボジアは、国防・安全保障、文化、医療、教育、経済、貿易、投資などの協力を通じて、互いに支援してきた。特に経済、貿易における協力関係は、両国間の経済、文化、科学技術に関する合同委員会の協力体制や国境地方において行われる投資、貿易の促進会議など、途切れることなく推進されている。

これまで、ベトナムはカンボジアに対して総額28億9000万ドル(USD)に上る190案件の投資を実施、主に農林業、エネルギー、金融・銀行、郵政・通信、建設、医療の分野における投資を行ってきた。(カンボジアに投資する50カ国中、トップ)。カンボジアにおけるベトナム企業の投資・経営活動は、カンボジアの指導者や国民から高く評価され、発展が遅れている地方の人々の生活改善に積極的に寄与し、カンボジアの発展や繁盛に貢献している。

一方、ベトナムに対するカンボジアからの投資は、総額5900万ドル弱に相当する18案件にまで増加してきた。

ここ数年、ベトナムとカンボジア双方の貿易は、年間の平均額が30億ドルに上っている。2017年の5カ月間(1-5月)は、16億900万ドルになっている。ベトナムからカンボジアへの輸出品で多くの金額を占めるのは鉄鋼、肥料、衣類、機械設備などだ。

両国には経済・貿易の発展にとって利便性や潜在力があることから、今後、数年で両国の双方貿易額が50億ドルになるように、互いに努力することで合意した。この目標の実現に向けて、2016年10月末、カンボジアの39項目の商品、ベトナムの29項目の商品が、双方の貿易で税金が0%になる-といった優遇政策を出し、双方の製品、商品の競争力の向上や消費の拡大に寄与することを目的に「双方貿易協力促進の合意書」を締結した。

独自の優位性を有するカンボジアは、特に、衣類の輸出や建設、不動産、観光といった分野において潜在的な市場であることから、ベトナムの投資家にとって魅力的な投資先にもなっている。しかし、ベトナムの投資家は、投資の際に、経営の登録手続きが難しいことや他国からの企業の競争が激化していることなどの困難を抱えている。

多くの経済の専門家が2017年のカンボジアのGDP(国内総生産)は7.1%成長する-との見込みを示したのに加えて、2015年-2025の工業開発政策を打ち出したカンボジアは近い将来、数多くの外国投資家を呼び寄せる可能性が高い。

協力の成果を生かすため、ベトナムとカンボジアは、それぞれで投資、貿易の発展を奨励、支援する政策を引き続き行うことや、合意した内容や認可した案件の効率的な展開の実施、さらには、新たな協力合意文書の早期締結を行うことや、税関や商品の輸出入、観光に関する体制の緩和、簡素化の実施、国境地方の企業や個人による通商の円滑化に便宜を図ること-などに力を入れるべきだろう。

経済協力関係の健全な発展は、両国の党、国家、国民の伝統的な友好関係をさらに発揮させる良い機会になる。