農業先進国入りの目標掲げ、業界再構築へ フック首相が明言

グエン・スアン・フック首相は、年初にハノイで開かれた農業農村開発省(MARD)の会合で、「今後のベトナム発展のために不可欠だ」として、農業分野の再構築を2019年の抱負として挙げた。前年の成果や反省を総括する会議で、成長戦略モデルの大胆な改革、地方の経済発展や新型の農村エリアのありかたなどを提示した。

会議でフック首相は、農業分野が2018年に果たした成長を称え、その結果として達成された農家の生活や経済水準の向上を高く評価した。今後さらに農業を発展させることで、ベトナムが「世界で最も先進的な農業国」の上位15カ国と「世界の農産物加工大国」のトップ10カ国に名を連ねることを目標として掲げた。

このために、業界関係者らに対して、農業分野で今年度比3%増の成長と、約430億ドルの輸出売上高の達成を求めた。加えて、現存する農村の約50%を、政府が提唱する先進的な農業を試みる「新型農村エリア」に転換していく考えを示した。

一方では、自然環境の保護にも力を注ぐ方針を明確にし、森林面積は全国土の41.85%以上を維持するとした。

フック首相は、農業農村開発省に対し、「創造性を駆使し、不必要な組織や制度を撤廃することで、よりよい結果を達成し、目標域に到達してほしい」と要請した。特に、「市場発展や需要と供給の的確な予測が不可欠」としたうえで、農産物ブランドの構築やベトナム産の野菜や果物、海産物とその加工品の新たな輸出先の開拓を優先事項とした。

また、新型農村エリアの確立に関しては、フック首相は地方当局に対して、農家の収入基準に注意を払うことに加えて、各地域がこれまで育んできた伝統や儀式など精神的な支柱にも注目するよう求めた。