政府・国会、重要事業の資金基準引き上げ提案=識者らは反対

 物価上昇を考慮に入れ大規模公共事業を行いやすくすることを狙い、公共投資法を改正して重要国家プロジェクトに分類される事業の投資資本額の基準を、現行の10兆ドン(約4億3000万ドル)から20兆ドン、または35兆ドンに引き上げようという動きが政府、国会で出ている。識者やアナリストらの間では、引き上げは不要との見方が多い。オンラインメディアのベトナムネットが伝えた。

 それによると、政府は公共投資法の改正案策定に際し、重要国家プロジェクトに求められる投資資本額を現行の10兆ドンから35兆ドンに引き上げたい意向。一方、国会の財務予算委員会は20兆ドンへの引き上げを提案した。
 しかし、エコノミストの多くは、2016~20年に実施された10兆ドン超の事業は2件にとどまっており、引き上げは必要ないと主張する。財政学院のディン・チョン・ティン氏は、「政府各省や機関は何兆ドンもの資金を支出し、無駄遣いするのに慣れているため10兆ドンは大した額ではないと考えるが、国民にとっては大きな金額だ」として、引き上げに反対する。
 また、あるアナリストは、引き上げの理由に物価上昇をあげる政府幹部がいることについて、10~20年の平均インフレ率は年間3~3.5%程度で、10年間で35%だと指摘。投資規模を倍増する根拠にはならないと強調する。
 財政学院のティン氏は、国家プロジェクトの管理・監督は、以前は厳格だったが近年緩んでいるとし、資本規模の引き上げよりも国家予算事業への監督を強化し、資金が正しく使われるようにすることが重要だと訴えている。(時事)