ベトナムのハノイで15日、科学、技術、革新を社会経済発展の柱に据えることを目指した会議が開かれた。この中でグエン・スアン・フック首相は、科学技術関連支出を増やすべきだとして、関係省庁が連携し政策を立案するよう指示した。サイゴン・タイムズ紙(電子版)が伝えた。

 会議でフック首相は、ベトナムの科学技術関連支出は国内総生産(GDP)の0.44%にすぎず、世界平均の2.23%だけでなく、タイ(0.78%)、シンガポール(2.2%)、マレーシア(1.3%)、中国(2.1%)といったアジア各国をも下回ると指摘。研究開発への投資は競争力強化と持続可能な発展への最も近道だとして、関連支出増加が必要だと強調した。
 その上で首相は科学技術省に対し、各省庁と連携して企業の革新を促すような政策を政府に提言するよう要請。また、農業、加工・製造業、情報技術などベトナムが強みを持つ分野で、高付加価値の新製品を開発する仕組みを構築することが重要だと訴えた。
 会議ではまた、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)傘下の研究機関「Data 61」のルーシー・キャメロン氏が、経済、社会のデジタル化を進めることでベトナムのGDPは2045年まで年間1.1%上積みされるとの見通しを示した。一方、世界銀行ベトナム事務所のウスマン・ディオンヌ所長はベトナムの近年の経済成長を称賛する一方で、民間部門の関与による科学・技術発展が重要だとし、今後は人材育成、デジタル関連インフラの整備、行政手続きの改革などが課題になるとして対処するよう進言した。(時事)