ベトナムで「電子内閣」システム活用し初会合 電子政府構築へ第一歩

デジタル技術を応用した「電子内閣」システムを使い、ハノイで24日、グエン・スアン・フック首相が初となる内閣会合を行なった。ベトナム政府が確立を目指す「電子政府」の第一歩となった。

電子内閣初となる会合では、電子認証などを規制する法令作成が提案され、会議場に集まった閣僚21人が賛成に投票し、4人が電子内閣システムを活用して会議場外から賛成票を投じた。投票後、フック首相はボタンを押し、法令案への電子署名を行なった。

電子内閣システム活用によって、政府会合で必要な書類の管理や保存、更新などが容易になるほか、電子上での投票や署名が可能になるなど、利便性が高まる。関係者内でのメッセージやメールのやりとり、注意事項などの情報伝達も行なえる。

政府は、システムの導入により、今年年末までに、政府関連会議の平均所要時間を約30%削減することを目指す。膨大な書類も電子版に置き換えることで、紙の使用量を大幅に削減するが、機密文書だけは当面、従来どおりの紙の書類を使うという。

電子内閣システムの立ち上げは、ベトナムが目指す電子政府構築に向けた重要な道しるべとなる。フック首相らは会議で、「デジタル技術を基盤とした経済や社会の構築を実現させるには、電子政府の構築が重要」として、電子政府の早期実現に向けた行政改革に意欲を示した。