悪徳業者の排除へ明確な規制必要=海外派遣法改正案を審議―ベトナム国会

 【ハノイ時事】ベトナム国会は10日、契約に基づいてベトナム人労働者を海外で働かせる海外労働者派遣法の改正案を審議した。不当な利益を得ることを目的に労働者の海外派遣に関する政策を悪用する業者を厳しく取り締まるため、明確で詳細な規制が必要になるとの声が上がった。11日付のベトナム・ニュース紙などが報じた。

◇金銭面の問題への対処も
 議員らは、改正法案を通じて行政改革を前進させる必要があるとの認識で一致した。労働者の送り出し機関にとって透明性を高め、利用しやすくすると同時に、海外に派遣した労働者のサポートなどをせずに、無責任に現地に放置するような違反行為への効果的な取り締まりにつなげるよう求める意見が出た。
 ゴ・ズイ・ヒエウ議員(ハノイ市)は、改正法案には労働者が海外の仕事を得るのに支払うコストの問題を含める必要があると指摘した。「明確な規制がないため、多くの人が海外の仕事を希望する際に金銭面の問題に直面することになる」と語った。
◇派遣先、最多は日本
 ティック・バオ・ギエム議員(ハノイ市)は、英国でトラックのコンテナからベトナム人39人の遺体が見つかった事件に言及。「違法な出稼ぎ労働者は法律による保護がないまま、外国で生活している」と述べ、悲劇を食い止めるためにも規制が必要だと訴えた。
 ベトナム国会は今回の会期で、改正法案を審議するが、採決は予定していない。今後も議論が重ねられる見通しだ。
 ベトナムが2019年、海外に派遣した労働者は当初の計画を27.1%上回る15万2530人。このうち、日本向けが約8万3000人で過半数を占め、最も多かった。台湾向けが5万4480人、韓国向けが7215人と続いた。