進む電子政府 データベース共有課題

政府の電子化が急ピッチで進められている。情報通信省では、国家の社会的経済的発展を支えるかぎと位置づけ、推進戦略のとりまとめを急ぐ。紙からデジタルに移行する際の手順チェックや、中央と地域の(管理組織間における)データベース共有が今後の課題となりそうだ。

写真㊤=端末を使って行政手続きに関する文書を閲覧する市民

パブリックコメントを通して作成された電子政府戦略の草案では、暮らしの改善やネットワークの安全性を念頭に推進することを明記。国のすべての管理業務を電子化することで市民生活のデジタル化をさらに進め、行政手続きの簡素化や透明性、信頼性の担保については、利用者である市民や企業の目線で考えていくとしている。

同省情報技術アプリケーション局によると、最も大きな課題はデータベースの構築と、役所間の共有だ。こうしたなか、既存のプラットフォームや技術を有する国内IT企業との連携を目指しているが、民間企業が行政手続きサービスに参入可能という点は特筆すべきことだという。時期的には、2025年までに人や土地、企業に関する登記、金融、保険の情報のすべてが電子化され、全国で共有できるようになるのが望ましいとしている。

電子政府の推進について、ベトナム郵電公社は「サービスを開始するには、データベースの構築とデータの共有が重要だ。紙ベースのサービスのからデジタルへの移行手続きのチェックを行うことも必要だ」との見方を示している。

グエン・スアン・フック首相は6月31日、電子政府に関する国家委員会委員長に就任した。同委員会は電子政府や電子経済、電子社会に向けた法的な枠組み作りのための調査研究や戦略や仕組み作りを提案する。

国連のレポートによると、電子政府進捗度ランキングでベトナムは193カ国中86位で、前年の88位からわずかに順位を上げた。