岸田首相 ベトナムとの協力の可能性、高く評価

ベトナムを訪問した日本の岸田文雄首相は、日本とベトナムの協力は無限の可能性がある、と述べた。岸田首相は、ASEAN(東南アジア諸国連合)における日本企業のサプライチェーン多元化支援事業(計92件)のうち、ベトナムでの事業が39件で最多だったことを例として挙げた。

ベトナムのファム・ミン・チン首相と会談した岸田首相は、技術革新、デジタルトランスフォーメーション、サプライチェーンの多元化に関する日越協力セミナーに出席した。同セミナーは、ベトナム商工省、情報通信省、日本の経済産業省、日本貿易振興機構(JETRO)が共催した。

 

日越デジタルパートナーシップ構築に向けて

チン首相は、日本は高度な経済の成長を達成した国で、世界最先端技術を有し、また科学技術の応用、デジタル経済とデジタル社会の発展の面で世界トップだと発言した。一方、ベトナム経済については「開放性が高く、比較的高い(高速度の)成長率を維持している。また、若い人材が多い国であり、競争力と工業生産効率を向上させる目標を持っている」と述べた。さらに「日本とベトナムの経済は相互補完的な関係にあり、技術革新、デジタルトランスフォーメーション、サプライチェーンをはじめ、幅広い協力が期待できる」と強調した。

ベトナムは、技術革新、デジタルトランスフォーメーション、サプライチェーン多元化の促進について、日本政府および日本企業との緊密な連携、支援を引き続き期待している。両国は、お互いにデジタルトランスフォーメーションを加速させるために協力し合い、情報を共有し、デジタルパートナーシップを確立することができる。

同時に、ベトナム政府は、技術革新、デジタルトランスフォーメーション、サプライチェーン多元化を含むすべての分野における両国の協力をこれまで以上に強化するために、企業と常に協力し、有利な環境整備に取り組むことを確約した。

ベトナムはグローバルサプライチェーンにおいて重要な位置を占める

同セミナーで、岸田首相は、チン首相が2021年11月に訪日した際、両首脳が技術革新、デジタルトランスフォーメーション、サプライチェーン多元化における協力に関する3つの革新を開始したことを振り返り(想起した、それ以来)、両国はこれらの分野においてより緊密に連携をとってきた、とした。

3つの革新については、具体的な案が示された。第一に、ベトナムの裾野産業は日本企業がベトナムで協力を促進し、効果的にビジネスルを進めていく重要な要素となる。そのため、両国は、裾野産業の能力と技術を改善するように努力する必要がある。岸田首相のベトナム訪問の際に両国が意見交換を行なった技術者の養成に関する協力がその目標に貢献できることが期待されている。

第二に、日本とベトナムは、貿易手続きのデジタル化、紙ベースの手続きからオンライン手続きへの切り替えなどのデジタルトランスフォーメーションを通じて、様々な分野における経済問題を解決できる。

第三に、サプライチェーンの多元化に関する諸問題について、コロナ感染拡大の影響に伴い、より意識できるようになった。ベトナムは、グローバルサプライチェーンにおいて重要な位置を占めている。ASEANにおける日本が支援するサプライチェーン多元化支援事業の計92件のうち、ベトナムでの事業が39件で最多だった。