ホアビン水力発電所、建設再開へ=資材高騰などの課題も

ホアビン水力発電所では、地滑りのために延期になっていた拡張工事が、まもなく再開される見通しだ。

◇安全性の確保
ベトナム電力公社(EVN)による拡張工事は2021年1月10日に始まったが、その10か月後に基礎の外側で地滑りが発見され、工事が中断されていた。

写真㊤=ホアビン水力発電所の拡張工事について説明するEVNの担当者

同年11月には、商工省、建設省、ホアビン省人民委員会とEVNの担当者、設計コンサルタントや請負業者の担当者が現地を視察し、建設工事の安全性を確保するための対策を協議した。

そして、EVNは2022年7月29日に、商工省に工事再開の許可を申請。EVN電力プロジェクトNo.1管理委員会のブイ・フォン・ナム氏によると、2025年以降の国の電力システムの安全かつ安定した運用、とりわけ電力源が変化している今の状況を踏まえると、この拡張工事には大きな意義があるという。

しかしながら、ナム氏は、「工事は10か月間の中断を余儀なくされ、投資家や請負業者に大きな困難をもたらした。工事の進捗や投資効率に直接的な影響を与えている」と続けた。


建設現場を視察するグエン・ホン・ディエン商工相

◇困難の緩和
ナム氏は、ガソリンや資材の価格変動を受けた請負業者の要望、工事中止にかかる費用について、「契約は固定価格に基づいており、予定外の資材価格の上昇は主務官庁によってのみ承認される。価格調整は、投資総額を踏まえて考慮されなければならない」と述べた。

建設省は、建設費用に関する課題についてファム・ミン・チン首相に報告。その結果、同省は、変更可能な価格に基づく契約については解決策を提示したが、パッケージ契約や固定価格に基づく契約に対する具体的な解決策はまだない。

また、工事の中断に伴って発生する新たなコストについては、同管理委員会が2021年11月から、請負業者と調整して、人材や建設機械、現場の環境保護や安全性、秩序を確保する対策に関する文書を準備してきた。その上で、管理委員会は規制を見直し、所定の勧告を行うことを投資家に説明する予定だ。

工事の早期再開には障害を取り除くことが重要であり、関係者と請負業者は、全体的な遅れを少しずつ取り戻すために、建設工事の加速に向けた解決策を強化する。