日本、6隻の中古船供与でベトナムへのODA再開―訪越中の岸田外相が合意署名

ベトナム訪問中の岸田文雄外相は8月1日、ベトナムのブイ・クアン・ビン計画投資相らとの会談後、ベトナムに6隻の中古船舶を政府開発援助(ODA)として供与する合意文書に署名した。資金協力は約5億円にのぼる。

日本からベトナムへのODAは、ベトナム政府高官と日本企業の癒着が発覚して以降、3月から新規の援助は停止していた。今回の再開で、ベトナムの沿岸警備体制の強化を図ることで、航海の安全を支援する。

ベトナムに提供されるのは、漁船監視船2隻と漁船4隻のほか、救命ボートや航海設備など。船舶は600―800トン級。今後、供与を受けた6隻の中古船隻は、巡視船などに改良される。

外相はファム・ビン・ミン副首相兼外相とも会談し、中国の東シナ海、東海(南シナ海)での領有権問題で意見交換。共同記者会見では、海洋安全保障分野での連携を強化することで日越の意見が一致したと話した。