ASEAN(1967―2014)の創設47周年にあたり、ベトナムのファム・クァン・ビン外務副大臣はこのほど、「各国の団結と努力によりASEANが大きく発展した」と参加各国に対して感謝の意を示した。さらに、1995年の加盟以来、ベトナムがASEANの基礎確立と発展に大きく貢献したことをあげ、「積極的にその役割を果たしてきた」と強調した。

持続可能な発展に向けて

ファム・クアン・ビン副大臣によると、地域の不安定化を背景に誕生したASEANは、平和と安定の意義を重要視してきたという。

「政治や安全保障に関して、ASEANはこれまで多くの重要な文書を発表している。例として、1976年のASEAN協和宣言と東南アジアにおける友好協力条約(TAC)、1995年には東南アジア非核兵器地帯条約(SEANWFZ)、2002年の南シナ海に関する行動宣言(DOC)、2008年のASEAN憲章などだ。これらの条約や声明は、ASEAN加盟各国間だけではなく、それ以外の国々との間においても関係確立や行動規範となっている。米国、中国、韓国、日本、EUなど、世界の経済的・政治的に重要な国々や地域が、ASEAN+1、 ASEAN+3、東アジア首脳会議(EAS)、ASEAN地域フォーラム(ARF)、拡大ASEAN国防相会議(ADMM+)などの枠組みを通じてASEANとの協力を促進してきた。

経済に関して言えば、ASEANは地域内で経済・貿易協力を促す推進力になっている。1992年にASEANで自由貿易地域(AFTA)を設立すると決定してから、域内では貿易から投資に至る主要な経済分野が目覚ましく発展した。

中国や日本、韓国、インド、オーストラリアやニュージーランドなどの主要なパートナー国との自由貿易ネットワークの確立(自由貿易協定FTA+1)もまた、域内の経済や貿易での協力促進に貢献した。さらにASEANは、アメリカ合衆国、カナダ、EUやロシアとも積極的に協力関係を築いてきた。安全保障政策や経済協力とともに、社会的・文化的な協力もまた、ASEANコミュニティの3本柱のひとつに成長している。」

ASEANの責任あるメンバーとしてのベトナム

ビン副大臣はさらに、「ASEAN加入から19年が過ぎるなか、ベトナムはASEANのために重要な貢献を果たし、責任あるメンバー国として活躍している」と強調した。

「とくに、1998年12月にハノイで開催された第6回ASEAN首脳会議の成功は、ベトナムの地位をゆるぎないものとし、連帯の強化と内部協力の推進に貢献した。

2000年から2001年にかけては、ベトナムは第34回ASEAN常任委員会(ASC)とARFの会場国と議長の役割を果たしたほか、第34回ASEAN外相会議、ARF8、ASEAN+3、ASEAN拡大外相会議(PMC+1)と対話国との会談などを開催し、議長となった。

注目すべきは2010年に、ベトナムがASEAN憲章にもとづき議長国を務めたことだ。ASEAN憲章とASEAN共同体構想を具現化し、この新しい機構を始動させたことなど、いくつもの重要な判断とともに、その役割を完璧に果たしたといえる。

現在、ベトナムは持続可能な平和と長期的安定実現に向けた2015年のASEAN戦略の設立にも重要な貢献を果たしている。ベトナムの加入後の発展への協力と努力は、ASEAN加盟各国が高く評価してくれている。」