AFFスズキカップ準決勝には惜敗したが、サッカーベトナム代表チームの三浦俊也監督の現地での評価は高い。ベトナムサッカー連盟(VFF)も三浦監督を称え、契約通り3年間の監督契約を維持すると保証した。

東南アジアサッカー選手権「AFFスズキカップ 2014」の前、VFFの首脳陣はベトナムチームの結果がどうであれ、三浦監督を解雇しないとの方針で一致していたという。実は、VFFが目標とし、三浦監督に求めていたのは、準決勝進出。「日本人監督はその目標を果たしたばかりか、もし守備のミスがなかったなら、決勝にまで勝ち進んでいただろう」と評価した。

三浦監督は就任後たった6カ月で、専門家やサッカーファンらに強い印象を植え付けた。具体的には、選手の健康面への配慮やフィジカルの状況を高めたばかりか、チームの〝プロ〟らしいスタイルや、ケガ予防のため「バイクでスタジアムに来ない」など、チーム内でのルールも作った。AFFスズキカップでは、「三浦監督は繊細な指導でライバルが予測できない場面を作り出した。前任者らとは違う発想を持っている」と評価された。


ベトナムのファンも期待する三浦監督

彼のもう一つの功績は、この6カ月間で若い選手らに活躍の機会を与えてきたことだ。AFFスズキカップでも若い選手が多く出場し、初めてナショナルチームのユニフォームに袖を通す24歳以下の選手がほとんどだった。そのためチームには若さとエネルギーがあり、将来の夢や展望が生まれている。

2015年の東南アジア協議会(SEA)では、今回のAFFスズキカップを経験し、三浦監督の指導のもとで訓練を積み重ねた若い選手らと、英アーセナルと提携しているサッカー育成施設育ちの選手らを融合させる予定で、さらに期待がもてる。

今のベトナムチームにとって、試合結果以上に大切なのは、選手らが自分たちのプレーに自信をもつことだ。これこそが、三浦監督が近い将来果たさなければならない、最大の使命である。