増加する電力消費 期待される原子力発電

ベトナムの産業発展において、信頼できる高品質な電力網の構築は、非常に重要なテーマだ。これはベトナム電力公社(Vietnam Electricity 、略称EVN)にとって、今後目指すべき一つの目標でもある。

EVNの報告によると、2014年11月の総発電量は前年同月比10.76%増の1328億㌔㍗アワーで、うち商業用として供給されたのは11.31 %増の1176億㌔㍗アワー。このうち産業用が53.9%(同13.55%増)を占めた。

国内の産業分野の電力消費量は、年平均で10%ずつ増加し、その数字は経済成長とともに増え続け、60%に達しようとしている。

政府の進める計画のもと、EVN は2011~2013年にかけて、国内電力需要の増加に対応するため、電力供給量を10000メガ㍗増やした。しかし、いずれ国内では─特に南部地方において─将来的に電力不足が生じると予想される。

原子力という選択
EVNは、国内の石油、石炭の消費量と2016年以降の石炭輸入価格の変動によって、電力の安定供給に支障が生じることもありうると予想している。政府も、こうした状況を把握し、環境への負荷なしに国内のすみずみまで電力を安定供給することが可能な原子力発電の建設について検討を重ねている。

原子力発電はすでにフランスや日本、米国などの先進国や韓国において、電力の構成比において大きな割合を占めている。また、中国やインドではエネルギーの安全保障のカギを握るものとみられている。

ベトナムでの原子力発電所の建設は、すでに2009年に国会で承認されている。調査報告によると、ニンチャン1と2はすでに稼動できる態勢にある。この施設は、EVNの原子力発電開発において重要な一つのステップになるとともに、ベトナムの平和目的での原子力の利用を考えるうえでの好例となりそうだ。