4Gが切り拓くベトナムの未来 2016年前半までにサービス開始

大容量高速通信として普及が期待される第4世代移動通信システム(4G)が、ベトナムでも導入されることになった。タイミング的にも「適正な選択」と国内外から歓迎の声が上がっている。

ベトナムは、東南アジアのモバイル通信サービス市場として有数の規模を誇る。既存の3G技術には2009年から投資。2009年に700万人だったユーザーは、2015年には2900万人に増加。市場は年々急成長している。サービスの価格も手ごろになり、国内のありとあらゆる地域で最大 42 Mbpsの速度の通信が可能となっている。

こうした3Gサービスの普及は、1.5Gbpsの速度を誇る4G導入において基盤となった。4Gはまさにワールドワイドな規格で、3600万人の4G対応機種ユーザーと5億人の契約者がいる。クアルコムによると、ベトナムではすでに4G対応機種が普及しており、導入のタイミングとしては今がベストという。

世界的な4Gブームのおかげで、後発のベトナムは投資額が少なくてすみそうだ。ちなみに、2Gから3Gへの移行に、ベトナムでは10年もの歳月がかかったが、3Gから 4Gへの移行にはそれほど時間はかからないとみられる。
「 増加する電子商取引や電子政府の推進のため、そして社会経済の発展のためにも、4G導入は今や必要不可欠になっています」。情報通信省のル・ナム・タン副大臣は強調する。

4G商戦、いよいよスタート
ル・ナム・タン副大臣によると、グエン・タン・ズン首相は、2015年からの4G導入を含む国家通信計画をすでに承認。これに先立ち、情報通信省では2010年に4Gが次世代の通信技術として紹介されてから研究を重ねてきた。

重要なのは導入のタイミングだ。そもそも、3Gのときも2000年に承認されながら、サービス提供の許認可は2009年となった。結果的に、スマートフォンやタブレットPCなどが普及した段階でのサービス開始となり、これが成功の追い風となった。

「われわれは、世界的なユーザーの動向をもとに、ベトナムでの4G普及に向けたロードマップをすでに作成しています。4Gは必ず成功すると確信しています」とタン副大臣は話す。

情報通信省はすでに、プロバイダが1800Mhz帯の4Gモバイル・サービス提供の案内をすることを許可している。2016年の前半には、入札を通して4Gのサービス提供が許可されることになりそうだ。

タン副大臣は「コストや言語的な壁があるため、海外製のコンテンツの場合はもう少し時間がかかるかもしれませんが、国内のオンラインTVや映画、ゲームといったデジタルコンテンツは今後4G規格に沿って開発が進められることになるでしょう」と話している。