630キロの鉄骨落下など事故相次ぐ ハノイ都市鉄道建設工事

ハノイ都市鉄道3号線(ニョン~ハノイ駅)の建設工事で10日、重さ630キロの鉄骨が落下する事故が発生した。死者はなかったが、12日にもクレーンが倒壊して民家を直撃する事故があり、付近を通行中の2人がけがをした。

写真㊤=630キロの鉄骨が落下した現場=ハノイ市

ハノイ都市鉄道管理委員会によると、10日に落下した630キロの鉄骨=写真=は、長さ約10メートル、幅約20センチ。現場はニョン~ハノイ駅の工事区間にある「第4番駅」の工事現場で、つり下げていたクレーンから鉄骨がはずれ、道路に落下したという。工事は韓国系のポスコ(POSCO)社が請負っている。

 

10日の事故後、プロジェクトの管理委員会や工事担当会社などが原因究明などのため会議を開いた。ハノイ都市鉄道プロジェクト管理委員会のレ・ヒュ・ホアン副長によると、落下原因はクレーンのケーブル接続に不備があったとみられている。

会議では事故原因の究明とともに、検査の実施や安全項目の点検などを再確認した。また、ポスコ側が市民やハノイ人民委員会に謝罪し、事故の再発防止を約束したという。

工事中のニョン~ハノイ駅の区間は全長約12.5キロメートル。このうち9.6キロメートルが高架、2.9キロメートルが地下鉄となり、高架駅11駅と地下駅4駅が作られる。総投資額は約16億ドルで、政府開発援助(ODA)を当てている。

ハノイ市では現在、鉄道プロジェクトが2件進行中だが、カットリン~ハドン鉄道の工事現場でも死亡事故(死者1人)を含む事故が発生している。

 

鉄道工事現場での事故に、安全対策の重要性が指摘されている