ゲアンが干ばつで非常事態を宣言 農作物への被害も

ベトナム北中部、ゲアン省の農業・農村発展局はこのほど、省内が深刻な水不足の状況となっていることを人民委員会に報告した。省では干ばつによる非常事態を宣言し、被害が出始めている農村の支援に乗り出した。

写真㊤=干上がったダム湖(ゲアン省)
6月20日、ゲアン省人民委員会のタン・バン・カイン農業部長によると、ベトナム農業・農村開発省が水不足による非常事態宣言をしたことを受けて、同省も実施した。ゲアン省が干ばつによる同様の宣言を行うのは初めてのことだという。

非常事態の宣言を受けて、同省人民委員会は各市、区や農業共同体などに対して、植物や農作物、家畜などへの損害調査を依頼した。この結果は今後、農業局と財務局に報告し、政府からの援助対策を受ける予定という。

農業局によると、干ばつは広い範囲で発生しており、2015年の夏から秋にかけての農産物生産はきわめて困難な状況だ。湖やダム湖などは水が減り、場所によっては完全に干上がった湖も。全体でも、満水時の30%程度の量しか残っていない。


枯れた茶畑。農作物への被害が深刻化している

被害も出始めている。なかでも深刻なのが農作物への影響で、田植えをしたばかりの水田約43000ヘクタールと多年生の植物の栽培地約4200ヘクタールで、農作物が枯れたり、収穫できなくなったり、と影響が出そうだという。また、同省の主要産物であるコーヒー畑(200ヘクタール)や茶畑(300ヘクタール)でも木が枯れるなどの被害が出ている。