ランセン、ラムサール条約の登録湿地に ベトナムで7カ所目

ベトナム南部のメコンデルタに位置するロンアン省のランセン湿地がこのほど、その生物多様性や国際的な影響などから、世界の湿地を保全する国際条約「ラムサール条約」の保護区域に登録された。

ランセン湿地のラムサール条約登録承認式は、11月27日に行われた。

同湿地は面積が約5030ヘクタールにも及ぶ。ドンタップムォイのメラルーカ(ティーツリー)群生林の保護地区とヴィンロイの森林、タンフン区ヴィンロイやヴィンダットなどの地区を含む。今回は、このうち1500ヘクタールの湿地と島々が保護区域に指定された。湿地に生息する植物と動物などを保護し、本来の生態系を復元・保持するため、登録を目指していた。

ベトナムでラムサール条約の登録湿地に認定されたのは、ランセンが7カ所目。世界では、2227カ所目となる。

ランセンは、ドンタップムォイ湿地の生態系の典型的なサンプルの一つといえる。生態系はメラルーカの林や水田、草原や畑、樹木などの植生と水辺の湿原などで構成され、豊かな自然が残る。

これまでの調査結果によると、ランセンで見られる野生植物は156種類に及ぶという。もっとも多かったのはさまざまなハスや竹類、ユリ、ホテイアオイ、ココヤシなどだ。脊椎動物は149種類が確認されており、一番多いのは鳥と魚だ。代表的なものは、オオツル、アオサギ、コウノトリの仲間やマガモなどだという。