80年代の街と味を再現 食のイベント「ハノイの記憶」にぎわう

ハノイ旧市街36通りのかつての生活や味を再現したイベント、「ハノイの記憶」が昨年12月30日から1月4日にかけて、ハノイ市中心部で行われた。第20世紀のハノイの歴史や文化、特に80年代ごろの食を体験できるチャンスとあって、おおぜいの市民らでにぎわった。


イベント「ハノイの記憶」に出店した飲食ブース

イベントはハノイ市中心部のタンロン遺跡で開催。伝統のベトナム式のお茶の立て方や飲み方の実演などのほか、タンビーフン、焼肉ビーフン、フォー・ボー(牛肉のフォー)、バイン・クオンタンチロール、サラダ、餅米から作ったバンチュンなどさまざまな屋台料理が並んだ。販売ブースは、自宅前の路上で自慢の一品を販売していた昔の路上店の様子で再現された。また、料理がおいしいとされるチャンアン(ニンビン省)など、各地の飲食文化なども紹介された。


旧市街の生ビール販売の様子

会場は、実物大の展示物などを使い、旧市街での生ビールの販売イメージなどを紹介し、現在のにぎやかで都会的なハノイと、懐かしい古いハノイが比較できるように工夫されていた。また壁面には小さな料理店やビアホイと呼ばれる居酒屋、古いタバコ店などの絵が描かれ、タヒエン旧市街、ハンバック旧市街、マーマイ旧市街でのかつての生活や人々の様子などを伝えた。


昔のハノイ料理を紹介するブース


優秀な料理人が料理を実演

イベントでは、ファン・ティ・アィン・トエットさんら優秀な料理人による伝統料理の調理実演も行われた。伝統的な飲食文化を残すために、料理人たちは今後も無料の料理教室を開き、若い世代の人たちに料理の作り方を教えていく予定だという。このようにさまざまな形で、ハノイの貴重な飲食文化が伝承されている。