中央銀行 テトの小額紙幣、新札を追加発行せず

ベトナム国家銀行(中央銀行)は、2016年の旧正月(テト)用に、小額紙幣の新札を追加発行しないと発表した。経費節減のためで、同様の措置は4年連続となる。12日にダオ・ミン・トゥー副総裁が記者団に伝えた。

追加発行を中止したのは、500ドン、1000ドン、2000ドン、5000ドンの4種類の小額紙幣。2013年から2016年までの措置で、中央銀行では、政府予算約1兆5000億ドン(約6550万ドル)が節減できたと試算している。

その他の紙幣は、中央銀行が新札を発行して、テトの時期に増える重要に十分対応できる量を確保するという。また、追加発行しない小額紙幣についても、品質のよい紙幣を準備する。

また、現金自動預払機(ATM)を備えた金融機関に、テトの期間中の引き出し用の通常紙幣を十分確保するように通達した。増える外国人観光客らに対応するため、商業銀行や外国為替の取り扱い機関は、通常通り営業するという。

ベトナムでは、伝統的な祭日のなかでもテトが1年でもっとも重要であり、例年、テト前の時期にはお年玉として配る小額紙幣の新札重要が急増する。特に500ドン、1000ドン紙幣は、新年の幸運を祈願するさいに、寺院などでお賽銭やお布施として納めるのがテトの風習となっている。