ベトナムで初となる代理出産による赤ちゃんが、1月22日、ハノイ市の中央マタニティ病院で誕生した。赤ちゃんは3600グラムだった。

国立不妊治療センターの所長でもある保健省のグエン・ベト・ティエン副大臣が、出産に立ち会った。

ベトナムでは昨年1月の婚姻家族法の改正により、人道的・医療的な理由による代理母出産が認められるようになった。3月以降に本格的に適用され、これまでに65件の代理母による妊娠例がある。

現在、ベトナム国内では代理母による妊娠・出産を扱う認可を受けているのは、中央マタニティ病院のほか、ホーチミン市のツーズー病院、フエ市の中央病院の3医療機関に限定されている。

このうち、中央マタニティ病院では、60人の代理出産希望者のうち、46件が同病院の承認を得て代理母による出産の適用事例に選ばれた。また、ツーズー病院では33件の代理母出産の希望があり、これまでに19件の妊娠例がある。

ベトナムの現在の医療技術では、代理母による人工授精の受胎成功率は60~70%。ティエン副大臣によると、3月までに代理母出産による赤ちゃんが、さらに10人程度誕生する見込みだという。

改定婚姻家族法の規定によれば、代理出産は人道的目的の医療行為で、健康上の理由で女性が物理的に妊娠・出産できないカップルにのみ適用される。

代理母として適格とされる女性は、妊娠可能な年齢であること、健康体であることなどの条件を満たしているほか、すでに1人以上の実子をもうけている必要がある。また、代理母が現在婚姻している場合は、代理母となる前に夫の承認を受けなければならない。