南中部地域を視察し水不足対策を指示 フック副首長

グエン・スアン・フック 副首相は23日、ベトナム中南部地域を訪れ、貯水湖などの水不足対策を視察した。大きな農作物被害などが出た昨夏の干ばつを教訓に、水不足の深刻化を防ぐため、早期の対策に乗り出す。

フック副首相は、22日にニントゥアン省で開かれた会合に出席。ベトナム南中部と中央高原地域の各行政府に対して、水不足を予防するための抜本的な対策を講じるよう指導した。

具体的には、家畜の飼育や付加価値の高い農産物の育成などの地域産業を重視したうえで貯水池の増設、水の適切な利用計画の立案と実施のチェックなどを行うこととした。また、水不足が予想される地域を特定して的確な水不足対策を計画し、灌漑の施設や水路の建設を加速することが重要だとした。一方で市民に対しては、「節水意識を浸透させることも不可欠だ」と付け加えた。

昨年を教訓に、各地行政府には、乾季の前から貯水池などの貯水率に注意を払うこと、昨年干ばつ被害が深刻だった地域に支援策を導入することなどを強調した。

長期的な対策では、貯水池や水路の増設や改築などを行う。さらに森林火災の予防対策をとるほか、森林の保護、植林なども並行して行う考えを示した。

訪問したニントゥアン省も昨年の干ばつで農作物や家畜に被害が出たことから、フック副首相はこの日、省の水がめであるソンサット貯水池とタンミーダムを視察した。また、水不足の影響を受けたニンハイ郡のカインタン、ニョンハイ村などを訪問した。

ベトナムでは昨年、十数年ぶりとなる深刻な干ばつに見舞われ、広い地域で農作物などが被害を受けた。また、生活用水や工業用水の不足、水力発電所での発電不足など、さまざまな面で深刻な事態を招いた。