センザンコウの保護施設がオープン ベトナムで初

「世界センザンコウ保護記念日」の5周年だった2月20日、ベトナムで初めてとなる「センザンコウ教育・保護センター」がオープンし、記念式典が行われた=写真㊤=。野生動物の保護研究センター「Save Vietnam's Wildlife」とあるクック・フォン国立公園(ニンビン省)が協力して同国立公園内に設立した。

ベトナム語で「テテ」と呼ばれるセンザンコウは、東南アジアに生息する、角質状のウロコに覆われた姿が特徴的な野生生物。漢方薬の原材料やうろこを使った加工品などのために密猟され、絶滅の危機に瀕している種も多い。

同センターでは、密猟者などに捕獲されたセンザンコウを保護する一方で、地域住民や観光客、大学生や子どもたちにセンザンコウなどの野生の希少種について伝え、保護のための協力と理解をよびかける。

来場者はセンザンコウや鳴き声などの音声や生き生きとした映像などの展示でその生態などを学ぶことができるよう工夫されている。また、保護されたセンザンコウを自然にいるのに近い状態で見学できる。

開業記念式典では、同センター教育管理者のホー・ティ・キム・ラン氏が、「野生動物の違法取引など問題は複雑化しており、センザンコウの保護のためには、教育がカギとなる」と語った。


密猟者の逮捕で警察当局に保護されたセンザンコウ