ベトナム南部などで、干ばつと海水による塩害で農作物に深刻な被害が出始めている。2015年から2016年の冬春シーズンにかけて3万ヘクタールに稲を植え付けたメコンデルタのティエンザン省ゴコンでは、1000ヘクタールで稲が枯れた。

写真㊤= 塩害と干ばつで稲が枯れた水田 ティエンザン省
もっとも被害が深刻だったゴコンの沿岸部、ゴコンドン地区では、860ヘクタールで損害が出た。ゴコンテイ地区とゴコン町でも損害が大きかった。

ティエンザン省の自然災害予防委員会などによると、塩害の発生の時期は前年より2カ月も早いという。被害があった一帯は灌漑が不十分であるうえに、東海(南シナ海)に合流する川の河口にも近いという地形からも、損害が拡大した。

塩害と干ばつに対応するために、同省では16億ドンの支援を決定。また、401カ所あるポンプ場の製のために120億ドンをかけて、稲作用農地約1万4000ヘクタールの土壌を改良する。

さらに、40億ドンを投じて32000立方メートルの排水量があるポンプ32台を備えたポンプ船16隻を購入し、灌漑や給水に活用する。

その他にもゴコンの農業用水の改善案件として、チョガオ地区、ゴコンテイ地区、ゴコン町などで、2016年の年初めに総延長44キロメートルに及ぶ灌漑工事が、すでに27カ所で実施されている。総投資金は45億ドンだった。