ベトナムの主権守る「東海」の砦 兵士らが暮らし、監視するリグ「DK1」

ベトナム本土の沖合約250-350海里の大陸棚に、ベトナムの東海(南シナ海)における海洋保安の拠点となるリグが建設されている。この「DK1」は、領海を侵して操業する漁船の監視などのために建設されたリグハウスだ。そこでの生活や、任務の様子などを紹介する。

ベトナムは東海(南シナ海)に7カ所のリグを建設している。それぞれが経済、科学・技術開発などの拠点として活用され、ベトナム海軍第2区域が管理している。石油やガス掘削に使われる「DK2」とは違い、「DK1」は民事上の活用を目的としたプロジェクトで、本土からもっとも遠い場所にある。

 

政治局員でもあり、DK1-2リグで勤務するレ・バン・チエン中尉は、「リグはベトナム領土の主権を守る拠点であるとともに、兵士たちの海上の家でもある。兵士たちはリグで兄弟のように生活し、困難を共にし、互いに励まし合いながら、仕事と責任を果たしている」と話す。

 

ベトナムでは、1989年の3月から6月にかけて、交通運輸省などが、フックタン岩礁に初めてのリグを建設した。最近では、「3番」とよばれる海域にもリグが建設され、「DK1/3」と名付けられた。

 

それぞれのリグには漁業管理船が備えられ、不法侵入した海外漁船などの追放にあたっている。また、緊急時の救難にも対応しており、沖で漁業をするベトナム人漁船を支援している。リグの状況は以前に比べて格段に改善され、生活もしやすくなっており、悪天候にも耐えられるようになっている。

 

ここでは、兵士らが交替で監視・警備にあたる。若い兵士らの任期はだいたい8-9カ月だが、2、3年リグで働く兵士も多い。

兵士のチャン・ミン・ダイさんは、任務について約6カ月になる。彼の毎日の仕事はシフトで交替しながら監視業務にあたり、近寄る海外船があれば詳細を報告することだ。
「ここでの生活や仕事はたいへんですが、一致団結して、ベトナムの海の主権を守る責任を全うしたい」と話す。


旧正月には、リグの防衛任務中に亡くなった兵士を追悼する花輪が捧げられた