AAG海底光ケーブルのメンテナンス工事実施 ベトナム国内の通信一時減速

東南アジアと米国本土をつなぐアジア・アメリカ・ゲートウェイ(AAG)のインターネット用海底光ケーブルで、22~27日、メンテナンス工事が行われる。ベトナムの複数のインターネット接続会社が明らかにした。この影響で、期間中はベトナムからのインターネット接続が一時遅くなると予想されている。

AAGはベトナムが利用する最大規模の海底光ケーブルシステムで、長さは約2万キロメートル。毎秒2テラビットで東南アジアからアメリカをつなぐ。2009年に設置され、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナムのブンタウ海、ブルネイ、香港、フィリピン、グアム、ハワイを経由して米国に到達する。

この海底光ケーブルシステムに投資したのはべトテル、ベトナム郵政・通信グループ VNPT、 FPTテレコムと SPTの4社。

近年、このケーブルシステムで不具合が相次ぎ、たびたびベトナムから海外へのインターネット接続ができなる事態に。2015年には、4回も海底ケーブルの切断事故があった。ベトナムのインターネット各社は、一時的に他の海底光ケーブルや大陸経由のケーブルなどに切り替えるなどして対応してきた。

AAGは3月にも改良工事を実施。その時には、海外サイトへのアクセス速度が落ちたほか、フェースブックなど大勢が利用するSNSがつながりにくくなるなどの影響があった。

インタビューに応じたベトテルは、他の大手インターネット会社と共同で、全長1万1000キロメートルに及び、通信速度毎秒4テラビットでベトナムからアジア諸国、米国をつなぐ「アジア太平洋光ケーブルシステム(APG=Asia Pacific Gateway)」や、ベトナムからアジア諸国とヨーロッパ、アフリカまでをつなぐ「AAE1( Asia Africa Euro 1、全長2万5000キロメートル)」に投資し、敷設を進めていることを明らかにした。これらの新ケーブルシステムは、今年じゅうに完成される予定という。