オーストラリア向け輸出ライチ ハノイでの放射線照射も認定

ベトナム植物防疫局は6月20日、オーストラリア農業省から、同国に輸出されるライチの放射線照射処理施設として、ハノイ放射線照射センターが新たに認定されたとの通知を受けた。これまでは産地から遠いホーチミン市の施設しか認定されていなかったため、輸送費などの削減につながると期待される。

写真㊤=出荷にむけて準備されるライチ(ベトナム北部バクザン省ルックガン郡)
今回の措置は、植物防疫局、オーストラリアの農産物輸入の管理機関、在ベトナムオーストラリア大使館やハノイ放射線照射センター、関連企業の積極的な協力の成果が実った。

ベトナムの輸出用ライチは、北部のバクザン省などが主な産地。これまではホーチミン市まで運び、放射線処理をする必要があったが、産地に近いハノイの施設認定で、オーストラリアに輸出されるライチは今後ハノイで処理でき、時間と輸送費などのコストが大幅に節約される。試算では、ハノイ放射線照射センターの利用で、オーストラリアにライチを輸出する企業は、ホーチミン市の放射線処理施設を利用する場合に比べて、1トンあたり約1600万ドンの費用が削減できる。

オーストラリアの規定によると、同国市場にライチを輸出するためには、農業生産工程管理(GAP)の認証取得、農業貿易局による検査と認可など、5つの条件を満たさねばならない。

輸出前の放射線照射処理については、オーストラリアに輸出するライチは植物防疫局などに認定された射線照射センターで処理されなくてはいけないとされていた。従来はホーチミン市にあるソンソン放射線照射会社とアン・フー放射株式会社だけが認定施設だった。放射線の照射は、規定に従い、決まった用量をベトナムの植物防疫局幹部の監視のもとで行う。

輸出ライチはさらに、オーストラリアの要求に応じて厳しい植物防疫検査が行われる。また、ベトナムが発行した植物防疫検査証明書も必要となる。