ラムドン省でアドベンチャー活動に関する臨時規則を制定 外国人観光客の事故多発受け

ベトナム中部高原、ラムドン省の文化・スポーツ・観光局はこのほど、冒険を伴う「アドベンチャー・ツーリズム(冒険活動)」に関する臨時規則を制定した。滝からのバンジージャンプなどさまざまな活動が欧米人観光客を中心に人気だが、一方で事故も増えており、規則の制定に踏み切った。

今年2月、ラムドン省ダラット市の観光名所、ダタンラの滝や、ズックチョン地区のベイタンの滝などで、アドベンチャー活動中の事故が相次ぎ、外国人観光客計4人が死亡した。この事態を受けて、ラムドン省の冒険ツアーの多くで十分な安全措置が取られていなかったことや、参加者の保険の未加入と言った問題などが表面化していた。

設けられた臨時規則では、アドベンチャー活動を企画する旅行会社に国際的な観光ライセンス保持を義務付け、商品の企画内容も当局の承認を得なければならなくなる。さらに、適切な設備や機材の保有、アドベンチャー・ツーリズムのトレーニング受講証明をもつインストラクターの帯同、危険な個所での救護員の配備などが求められた。

また、旅行会社は参加する顧客に対し、冒険の内容や危険性について事前に情報を開示し、活動に伴うリスクの警告を行なったうえで、顧客を保険に加入させなければならないとされた。

規則は同時に、活動プログラムに参加する観光客の側にも、警鐘を鳴らした。

旅行会社への個人情報の提供や、ツアー前の健康証明書の提出と署名などを義務付けている。また、事前に必要な技術講習を行い、十分な設備を持参して冒険に挑むことなども盛り込まれた。心臓疾患や高血圧などの持病がある場合は活動が禁じられ、年齢や健康状態などの虚偽申告があった場合や、参加者が注意や指示に従わなかった場合などには、参加者本人があらゆる事故についての責任を負うことも盛り込まれた。

ラムドン省文化・スポーツ・観光局のホアン・ゴック・ヒュイ局長は「アドベンチャー型観光は世界的な注目を集め、ベトナムでも各地で急速に発展してきた。だが、従来の観光関連法にはこの種の活動についての明確な定義付けや規定がなかったため、制定に至った」と話した。