観光客でにぎわうハノイ市のホアンキエム区で、バーとレストランの営業時間を、金曜から日曜日に限り、現在の午前零時から午前2時まで延長する試験的な試みが始まった。観光客の増加や収入増につながると期待されている。

台湾人ガイドのディン・チュアン・フォンさんによると、ハノイ人民委員会がこの方針を表明するやいなや、台湾人観光客から多数の問い合わせの電話が入った。電話をかけてきた人らは、「ハノイの夜を、じっくり楽しむことができるようになって、とてもハッピーだ」と喜んでいたという。

ハノイの夜は、国内外を問わず多くの観光客に人気がある。夜のハノイは、昼の喧噪もうそのように静まり、ムード満点の街へと変貌する。ハノイを訪れる多くの人たちにとって、マーマイ(Ma May)通りやルオンゴッククエン(Luong Ngoc Quyen)通り、タヒエン(Ta Hien)通りでの食べ歩きは、おなじみのコースだ。

しかし、午前零時以降の営業が禁止されていることを残念に思う人も多かった。海外から来た人の中には、「ハノイにはディナーのあとの楽しみが、水上人形劇くらいしかない」と皮肉を言う人もおり、それがハノイに長期間滞在する観光客が増えない理由の一つとみられていた。ハノイの決定は、国内外の観光客から歓迎され、ホアンキエム区以外の地域への拡大が期待されている。

旅行者の安全確保のため、ハノイ人民委員会では、レストランとバーに対し、地区の人民委員会に登録することに加え、付近住民の安眠を妨害しないよう騒音を慎むことを要請している。複数の旅行会社は、今回のハノイ市の決定は、正しい決断だと評価する一方で、バーとレストラン周辺の警備強化とともに、営業にふさわしい店のみを選別することが必要だという声もある。終夜安全を保障し続けるのは、ハノイ市にとっても、非常に困難な仕事となるからだという。